近年、日本では大きな地震が相次いでいます。2026年6月には、岩手県沖を震源とする地震で最大震度6強(青森県階上町)、山梨県東部・富士五湖を震源とする地震で最大震度6弱(山梨県富士河口湖町)を観測しました。7月には令和8年熊本地震が発生し、熊本県宇城市・氷川町で最大震度7を観測しています。
また、南関東ではM7程度の地震が今後30年以内に発生する確率が70%程度と評価されています。ただし、「近いうちに必ず起こる」という意味ではなく、現在の科学では、地震がいつ、どこで、どの規模で発生するかを正確に予測することは困難です。だからこそ、普段からできる範囲で備えておくことが大切です。
災害時は、まずご自身やご家族の安全と生活を確保することが最優先です。そのうえで、少し余裕ができたら、お口のケアにも目を向けてみてください。お口の汚れは、むし歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎につながることもあります(詳しくは「なぜ災害時もお口のケアが大切なの?」で解説します)。
この記事では、水が十分に使えないときのお口のお手入れ方法を、手元にあるもの別にご紹介します。あわせて、入れ歯や矯正装置のお手入れ、普段からできる備えについてもまとめました。
水が十分に使えないときのお口のケア方法
断水していると、「貴重な飲み水を歯みがきに使っていいの?」と迷うこともあると思います。たくさんの水がなくても、少量の水や手元にあるものを使ってできるお手入れがあります。
まずは下の表で、今の状況に合う方法を確認してください。
| 手元にあるもの | できるケア |
|---|---|
| 歯ブラシ+少量の水 | 水で濡らして磨き、少量ずつすすぐ |
| 歯ブラシのみ(水がほとんどない) | 液体歯磨きを使って磨く/水なしで磨く |
| ガーゼ・ティッシュ・口腔ケア用ウェットシート | 歯や歯ぐきをやさしく拭く |
| 飲み水・無糖のお茶 | ブクブクうがいをする |
| 何もない | 耳の下などをマッサージして唾液を出す |
| お口の乾燥が気になる | 口腔用の保湿ジェルを使う |
なお、ここで紹介する方法の中には、物資が足りないときの応急的なものも含まれます。ケア用品や水が手に入るようになったら、普段のお手入れに戻しましょう。
歯ブラシと少量の水がある場合
少量の水が使える場合は、次の手順で磨きます。
- コップに少量の水(約30mL)を用意する
- 歯ブラシを水で濡らして歯を磨く
- 歯ブラシについた汚れをティッシュなどで拭き取る
- 再び歯を磨く(3と4を繰り返す)
- 最後に、残った水を少しずつ口に含み、2〜3回に分けてすすぐ
水が限られている場合は、一度にたくさんの水ですすぐより、少量ずつ数回に分けてすすぐ方が効果的です。日本口腔ケア学会のQ&Aでは、30mLの水で1回すすぐより、15mLずつ2回に分けてすすぐ方が、口の中の汚れを薄める効果が高いと説明されています。

歯磨き粉がなくても、歯ブラシで歯の表面の汚れは落とせます。手元にない場合や水が少ない場合は、歯ブラシだけで磨いても大丈夫です。
歯磨き粉を使う場合は、磨いた後に歯磨き粉を吐き出し、少量の水で1回すすぐ程度で構いません。フッ素入りの歯磨き粉は、普段からすすぎを少なめにして、フッ素をお口に残す使い方がすすめられています。
歯ブラシはあるが、水がほとんどない場合

液体歯磨きがあれば、水の代わりに使えます。一般的には、適量を口に含んでお口全体に行きわたらせ、吐き出した後に歯ブラシで磨きます。水ですすぐ必要がない製品が多いため、断水時にも使いやすいアイテムです。使い方は製品によって異なるため、パッケージの表示を確認してください。
なお、「液体歯磨き」と「洗口液(マウスウォッシュ)」は用途が異なります。洗口液は主にお口をすすぐためのもので、すすぐだけでは歯に付いた歯垢を落とせません。歯ブラシが使える場合は、あわせてブラッシングを行いましょう。
液体歯磨きもない場合は、水を使わずに歯ブラシで磨くだけでも効果があります。宮崎県歯科医師会では、水がなくても歯ブラシでお口を刺激すると、唾液でお口が湿り、汚れも落とせると紹介しています。
歯ブラシがない場合
歯ブラシが手元にない場合は、次のようなもので、歯の表面やお口の中の汚れをやさしく拭き取る方法があります。
- 清潔なガーゼ
- ティッシュ
- ハンカチや清潔な布
- 口腔ケア用ウェットシート
ガーゼやティッシュ、ハンカチなどは、指に巻きつけて使うと拭きやすくなります。日本歯科大学では、物品が不足している場合は、水で濡らしたティッシュやガーゼで拭くだけでもよいとしています。ただし、お口の中が乾燥しているときに強くこすると、粘膜を傷つけることがあります。やさしく拭くようにしてください。液体歯磨きや洗口液があれば、あわせて使うと汚れを落としやすくなります。
口腔ケア用ウェットシートは、水を使わずに歯や歯ぐき、舌の汚れを拭き取れるため、断水時に便利です。公立能登総合病院 歯科口腔外科の長谷剛志先生は、能登半島地震の経験をもとに、支援物資には偏りがあるため、口腔清拭シートを普段から意識して準備しておくことをすすめています。
一般的なウェットティッシュではなく、お口の中に使える口腔ケア用の製品を選びましょう。
飲み水やお茶しかない場合

飲み水やお茶があれば、飲むときに少量を口に含み、「ブクブク」とすすぐことで汚れを落とせます。宮崎県歯科医師会でも、水がないときの方法として、飲料水やお茶でのブクブクうがいを紹介しています。
お口をすすぐ目的で使う場合は、砂糖やミルクの入っていないお茶を選びましょう。ジュースやスポーツドリンク、加糖のお茶、乳酸菌飲料などは、水分補給には役立ちますが、糖分を含むため口すすぎには向いていません。こうした飲み物を頻繁に口にすると、むし歯のリスクも高まります。日本口腔ケア学会のQ&Aでは、スポーツドリンクは意外に糖質が多く、酸性の製品も多いため、飲んだ後に水やお茶をひと口含むことをすすめています。
ただし、すすぐだけでは、歯に付いた歯垢を落とすことはできません。あくまで、水や歯ブラシが十分にないときの補助的な方法です。
ケア用品が何もない場合
水も歯ブラシもケア用品もない場合は、唾液を出すことを意識してみましょう。唾液には、お口の中を潤し、汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする働きがあります。
唾液を出しやすくする方法には、次のようなものがあります。
- 口や舌を動かす(食事の前後に行うのがおすすめです)
- 耳の下、頬、あごの下を手でやさしくもんだり、温めたりする
シュガーレスガムを安全に噛める方であれば、ガムを噛んで唾液を出しやすくするのもひとつの方法です。キシリトール入りのガムには、むし歯予防の効果もあります。ただし、小さなお子さんや飲み込む力が弱い方など、ガムを安全に噛むことが難しい場合は使用を避けてください。
口の乾燥が気になる場合
お口の乾燥が気になる方は、口腔用の保湿ジェルも選択肢になります。長谷先生は、口の渇きへの備えとして、湿潤成分を含む口腔ケア用ジェルを準備しておくことをすすめており、手軽に使える泡タイプの口腔保湿剤も紹介しています。
保湿ジェルは、小豆大くらいの量を舌や頬の内側に薄く塗り広げて使います。肌用の保湿剤ではなく、必ず口腔用として販売されている製品を使用してください。
入れ歯・矯正装置を使っている方のお手入れ

水が少ないときの入れ歯のお手入れ
入れ歯にも、食べかすや細菌などの汚れが付着します。日本歯科大学によると、入れ歯を長時間つけたままにすると、入れ歯と粘膜の間で細菌が増え、炎症や痛みにつながることがあります。できれば毎食後、少なくとも1日1回は外して清掃し、夜寝るときは外しておきましょう。
一方で、入れ歯は食べるときだけでなく、飲み物や唾液を飲み込むときにも役立っています。外したままにしておくと入りにくくなることもあるため、清掃したら口に戻しましょう。
水が少ないときは、次の方法でお手入れができます。
- 水で濡らしたガーゼやティッシュ、使い捨てのおしぼりなどで汚れを拭う
- 部分入れ歯の金具の部分は、歯ブラシや細い綿棒で清掃する
- 入れ歯洗浄剤があれば使用し、十分に洗い流してから口に戻す
矯正装置を使っている方も、できる範囲でお手入れを続けましょう。マウスピースやリテーナーなどの取り外せる装置は、入れ歯と同じく、外したらケースに入れて紛失を防いでください。ワイヤーなどの固定式の装置は周りに汚れがたまりやすいため、歯ブラシが使えるときは装置の周りを意識して磨きましょう。装置が外れたり、痛みが続いたりする場合は、通院できるようになったら担当の歯科医院に相談してください。
入れ歯・矯正装置の紛失に注意
避難所など普段と違う環境では、入れ歯や矯正装置をなくしてしまうことがあります。外した入れ歯や装置をティッシュなどに包んで置いておくと、ゴミと間違えて捨てられてしまうおそれがあります。
外したら、必ず専用のケースに入れて保管しましょう。入れ歯や取り外せる矯正装置を使っている方は、防災用品の中にケースも準備しておくと安心です。
高齢の方・お子さんのお口のケアで気をつけたいこと
高齢の方・飲み込みに不安がある方
高齢の方や飲み込む力が弱くなっている方は、お口の汚れが誤嚥性肺炎につながりやすいため、特にお口を清潔に保つことが大切です(詳しくは「なぜ災害時もお口のケアが大切なの?」で解説します)。
うがいをするときは、唇をしっかり閉じて「ブクブク」とお口の中をすすぎましょう。喉に水をためにくい方にとって、「ガラガラうがい」は危険な場合があります。うがいが難しい方は、無理にうがいをせず、ガーゼやティッシュでお口の中の汚れを拭き取りましょう。
また、飲み込む力が弱くなっている方は、寝ている間に、むせることもなく唾液が気管に入ってしまうことがあります。1日に何度もお手入れするのが難しい場合でも、寝る前にはお口をきれいにしておきましょう。
ご自身で歯みがきやうがいをするのが難しい方には、周りの方のサポートが必要です。お手伝いをするときは、汚れた水や唾液を飲み込ませないことがポイントです。
お子さん
避難所の支援物資には、菓子パンなどの甘いものが多くなりがちです。歯みがきが十分にできない状況が続くと、お子さんはむし歯になりやすくなります。次のことを心がけましょう。
- 食事やおやつの時間を決め、甘いものをだらだら食べない
- 早寝早起きを心がけ、生活のリズムを整える
- 水が使えるようになったら、歯みがきをする
- 可能であれば、保護者が仕上げみがきをする
ガムを安全に噛める年齢のお子さんであれば、食後にキシリトール入りのシュガーレスガムを噛むことも、むし歯予防に役立ちます。
なぜ災害時もお口のケアが大切なの?

避難生活ではお口のトラブルが起こりやすい
災害が起こると、断水や物資不足などによって、普段と同じように歯を磨いたり、入れ歯のお手入れをしたりすることが難しくなる場合があります。さらに避難生活では、次のような変化が重なります。
- 食事の内容や時間が普段と変わる
- 水分を十分にとれないことがある
- 睡眠不足やストレスが続く
- 歯ブラシなどのケア用品を持ち出せない
- 歯みがきをする場所を確保しにくい
厚生労働省が掲載している資料では、避難所生活の緊張やストレスで唾液が出にくくなり、給水の問題や生活習慣の乱れで歯みがきも制限されることで、お口の健康が損なわれると説明されています。そして、お口の汚れと免疫力の低下が原因で、誤嚥性肺炎やインフルエンザなどにかかりやすくなるとしています。また、サンスターは、避難生活ではお子さんはむし歯、大人は歯周病が進みやすくなると指摘しています。
もちろん、大変な避難生活の中で、普段と同じケアができないこともあります。「歯を磨けていない」と必要以上に負担に感じず、そのときにできる方法から取り入れてみてください。
能登半島地震では「口の渇き」を訴える人が急増
令和6年能登半島地震では、避難生活の中でお口のトラブルが増えたことが報告されています。
長谷先生が勤務する公立能登総合病院の歯科口腔外科では、口の渇きを主な症状として受診した方が、例年は1〜2月の2か月間で10人程度でした。それが、震災直後の同じ期間には64人にのぼりました。口内炎で受診した方は例年の2〜3倍、誤嚥性肺炎で歯科の対応が必要になった方も、震災後2週間で例年の3倍近くに増えたとされています。
また、石川県歯科医師会が七尾市内の避難所16か所で105人を対象に行った調査では、約3割(29.5%)の方が歯やお口に関する問題を抱えていました。最も多かった悩みは、口の渇きでした。
長谷先生は、震災のストレスや栄養の偏り、断水による歯みがきや入れ歯のお手入れ不足などが重なって、お口の環境が悪化したと考えられると述べています。口の渇きが気になるときの対策は、「口の乾燥が気になる場合」や、下の「よくある質問」をご覧ください。
お口の汚れが誤嚥性肺炎につながることも
歯みがきは、むし歯や歯周病を防ぐためだけのものではありません。特に高齢の方や飲み込む力が弱くなっている方では、お口の細菌を含んだ唾液などが誤って気管に入り、誤嚥性肺炎につながることがあります。日本歯科大学も、被災地では水や物品の不足で口腔ケアが難しくなり、栄養状態や飲み込む機能が低下している方では、誤嚥性肺炎の危険性が高まるおそれがあるとしています。
過去の震災でも、肺炎は大きな問題になりました。阪神・淡路大震災では、災害関連死の死因の24%が肺炎だったと報告されています。また、東日本大震災でも、特に高齢の方で、震災をきっかけに肺炎を起こして入院する方が増えました。
ただし、これは「歯みがきができなかったことだけが原因で肺炎が増えた」という意味ではありません。避難生活では、体力や栄養状態の低下、持病、睡眠不足など、さまざまな要因が重なります。お口を清潔に保つことも、体調管理のひとつとして意識してみてください。
普段からできるお口の備え

防災バッグに入れておきたい口腔ケア用品
防災用品を見直すときは、お口のケア用品も一緒に確認してみてください。長谷先生によると、避難所には歯ブラシが少なく、洗口液しかない場合もあるといいます。支援物資を待つだけでなく、自分でも備えておくと安心です。
- 歯ブラシ(粘膜のお手入れにも使える、毛のやわらかいものがおすすめ)
- 液体歯磨き
- 口腔ケア用ウェットシート
- 口腔用の保湿ジェル
- ガーゼ
- デンタルフロス・歯間ブラシ
- キシリトール入りのシュガーレスガム
- 入れ歯・矯正装置のケース
- 普段使っている入れ歯用のケア用品
すべてを一度にそろえる必要はありません。まずは、歯ブラシを1本、防災バッグに入れておくところから始めてみてください。
なお、厚生労働省が掲載している資料では、ガムは長期保存ができ、賞味期限が切れても健康上の問題は生じないとされています。
ローリングストックで使い慣れたものを備える
歯ブラシや液体歯磨きなどは、防災用として長期間しまい込んでおく必要はありません。普段使うものを少し多めに買っておき、使ったら買い足す「ローリングストック」で備えておけば、災害時にも使い慣れたものを利用できます。
長谷先生も、口腔ケア用品を食料品と同じようにローリングストックし、普段から使っておくことをすすめています。液体歯磨きなども、普段から使う習慣をつけておくと、断水したときに慌てずに済みます。
気になる歯は早めに治療しておく
災害が起きると、しばらく歯科医院を受診できなくなることがあります。痛みが出たときにすぐ治療を受けられないため、普段から気になる歯を放っておかないことも、災害への備えのひとつです。
むし歯や歯周病を放置すると、痛みや口臭の原因になるだけでなく、炎症が広がって全身に影響することもあります。避難生活では歯みがきが十分にできず、症状が進みやすくなるため、治療中の歯や、しみる・ぐらつくなど気になる歯がある場合は、早めに受診しておきましょう。
入れ歯が合わない、痛いといった場合も、普段のうちに調整しておくと安心です。
災害時のお口のケアに関するよくある質問

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Q1. 水の代わりにお茶やスポーツドリンクで口をすすいでも大丈夫ですか?
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水が十分に使えない場合は、飲用できるお茶で口をすすぐ方法があります。宮崎県歯科医師会でも、飲料水やお茶を使ったブクブクうがいを紹介しています。お口のケアが目的であれば、砂糖やミルクなどが入っていないお茶を選ぶとよいでしょう。
一方、スポーツドリンクやジュース、加糖のお茶など、糖分を含む飲み物を口すすぎに使うことはおすすめできません。また、お茶ですすぐだけでは歯垢を十分に取り除けないため、歯ブラシが使えるようになったらブラッシングも行いましょう。
-
Q2. 手指用の消毒液でうがいをしてもいいですか?
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使わないでください。手指用の消毒液の多くは、アルコールや洗浄成分を含んでいるため、お口の中には使えません。うがいには、水やお茶、口腔用の洗口液や液体歯磨きを使いましょう。
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Q3. 歯ブラシがないときはどうすればいいですか?
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清潔なガーゼやティッシュ、口腔ケア用ウェットシートなどがあれば、歯の表面やお口の中の汚れをやさしく拭き取る方法があります。日本歯科大学でも、物品が不足している場合は、水で濡らしたティッシュやガーゼなどを使う方法を紹介しています。お口が乾燥している場合は粘膜を傷つけやすいため、強くこすらないようにしましょう。
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Q4. 口が乾いてつらいとき、手軽にできる対策はありますか?
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マスクをつけると、お口の水分が蒸発しにくくなり、乾燥を和らげることができます。特に冬の避難所のように空気が乾燥した場所で効果的です。あわせて、耳の下やあごの下を手でやさしくもんだり温めたりすると、唾液が出やすくなります。
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Q5. 歯の詰め物や被せ物が取れてしまったら、どうすればいいですか?
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なくさないように保管し、歯科を受診できるようになったら持参してください。状態がよければ、元に戻せることがあります。入れ歯と同じく、ティッシュには包まず、ケースや小さな袋に入れておきましょう。
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Q6. 防災バッグにはどんな口腔ケア用品を入れておくといいですか?
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まずは歯ブラシを1本入れておくだけでも役立ちます。余裕があれば、液体歯磨き、口腔ケア用ウェットシート、デンタルフロス、歯間ブラシ、口腔用の保湿ジェル、ガーゼ、入れ歯・矯正装置のケースや入れ歯用品などを準備しておくと、断水したときにも状況に合わせて対応しやすくなります。
すべてを一度にそろえる必要はありません。普段使っているものを少し多めに用意し、使った分を買い足す「ローリングストック」も取り入れやすい方法です。
まとめ|災害時は無理をせず、できる範囲でお口のケアを
災害が起きた直後は、ご自身やご家族の安全を確保し、水や食料、生活環境を整えることが何より大切です。普段のように歯を磨けなかったとしても、必要以上に負担に感じる必要はありません。少し生活が落ち着いてきたら、次のような、そのときにできる方法から始めてみてください。
- 少量の水で歯を磨く
- 液体歯磨きを使う
- ガーゼや口腔ケア用ウェットシートで汚れを拭く
- 水や無糖のお茶で口をすすぐ
- 耳の下などをマッサージして唾液を出す
- 口の乾燥が気になる場合は、口腔用の保湿ジェルを使う
災害時に少しでも困ることを減らすため、普段使っている歯ブラシや口腔ケア用品を防災用品として準備しておきましょう。あわせて、気になる歯は早めに治療しておくと安心です。
参考文献
- 厚生労働省「災害時のお口(くち)のお手入れについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000122257.html- 「災害時のお口の手入れ」高齢者版・子ども版(出典:厚生労働科学研究「大規模災害時における歯科保健医療の健康危機管理体制の構築に関する研究」研究班報告書)
- 日本口腔ケア学会・HDC「災害時の口腔ケア・歯科治療 平易な『Q&A』」
- 日本歯科医師会「歯みがき、お口のケアはあなたの命を守ります!」
- 日本口腔ケア学会「災害時の口腔ケア・歯科治療 平易なQ&A」
https://www.oralcare-jp.org/saigai_qa/ - 日本歯科大学 生命歯学部「被災地での口腔ケアについて」
https://www.tky.ndu.ac.jp/about/announcing/care.html - 宮崎県歯科医師会「避難所での口腔ケア」
https://www.miyazaki-da.or.jp/refuge - サンスター「覚えてください、防災にオーラルケア。」
https://jp.sunstar.com/bousai/ - 長谷剛志(公立能登総合病院 歯科口腔外科)「~能登半島地震の経験から学ぶ~ 避難生活で『口』を守ることの重要性」イーエヌ大塚製薬株式会社 口腔ケア情報サイト
※掲載元の利用規約により、リンクは掲載していません - 日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」(2023年1月)
https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf - 気象庁 報道発表資料
- 「令和8年6月25日07時30分頃の岩手県沖の地震について」(2026年6月25日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2606/25a/202606250930.html - 「令和8年6月26日22時29分頃の山梨県東部・富士五湖の地震について」(2026年6月27日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2606/27a/202606270040.html - 「令和8年7月28日16時27分頃の熊本県熊本地方の地震について」(2026年7月28日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2607/28a/202607281730.html
- 「令和8年6月25日07時30分頃の岩手県沖の地震について」(2026年6月25日)
- 地震調査研究推進本部 地震調査委員会「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)」(2014年4月25日公表)
https://www.jishin.go.jp/main/chousa/kaikou_pdf/sagami_2.pdf
災害時は、歯科医院をすぐに受診できないことがあります。ただでさえ大変な避難生活の中で、歯の痛みや歯ぐきの腫れが出ると、つらさはさらに大きくなります。
むし歯や歯周病、合わない入れ歯など、気になるところがある方は、普段のうちに治療して、お口のトラブルがない状態にしておきましょう。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。


