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2026年(令和8年)4月、歯科の保険ルール(診療報酬)が新しくなりました。2年に1度の見直しですが、今回は単なる料金改定ではなく、これからの歯科医療が「何を大切にしていくか」を示す内容になっています。
本記事では、患者様にとって特に知っておいていただきたい変更点を3つの柱に整理し、最後によくいただくご質問にお答えする形でご紹介します。
背景にあるのは、日本の高齢化と医療を取り巻く環境の変化です。「悪くなったら治す」だけでは、お口の健康を一生にわたって守り切れない時代になってきました。
そこで国は、歯科医療の重点を 「治療」から「管理・予防」へ と少しずつシフトさせる方針を打ち出しています。今回の改定は、その流れを制度面から後押しする内容になっています。
初診料・再診料という、診察を受けたときに必ずかかる基本料金の点数が見直されました。窓口でのお支払い額にすると数十円〜百円程度の差になることが多く、保険の自己負担割合(1〜3割)によって実際のご負担額は異なります。
この見直しは、人件費や物価の上昇が続くなかでも、安全で質の高い診療を続けていくための制度的な調整です。
歯科で使う材料や器具、光熱費の値上がりは、医院運営にも大きな影響を及ぼしています。今回の改定では、こうしたコスト増に対応するための加算項目が新たに設けられました。
また、歯科衛生士・歯科助手といったスタッフの賃金引き上げを進めるための仕組みも組み込まれており、安心して働けるチームづくりを後押しする内容になっています。
「むし歯ができてから治す」よりも、「むし歯や歯周病が進行する前に防ぐ」ほうが、結果的に歯を長く残せます。今回の改定では、この予防の考え方が制度上もはっきりと評価されるようになりました。
歯周病の継続的な管理や、症状が安定した方への定期的なクリーニングなどが、より体系的に行いやすくなっています。「歯医者さん=痛くなったら行く場所」というイメージから卒業するタイミングかもしれません。
歯そのものだけでなく、お口全体の働き ―― 噛む、飲み込む、発音する力 ―― をしっかり守ろうという考え方が広がっています。これらの機能は、年齢を重ねるほど少しずつ衰えやすく、放っておくと食事や会話の楽しみにも影響します。
今回の改定では、こうした口腔機能の評価・管理がより踏み込んだ形で制度に組み込まれました。お子様の発達段階のチェックや、ご高齢の方の機能維持のサポートなどが、その対象となります。
ご高齢で外出が難しい方や、介護が必要な方にとって、お口のケアは肺炎予防の観点からも非常に重要です。今回の改定では、訪問での歯科診療や口腔ケアの評価がさらに見直され、ご自宅や施設でのケアを受けやすい仕組みが整いつつあります。
マイナンバーカードを使った保険証確認(オンライン資格確認)や電子カルテ、医療機関同士の情報連携など、いわゆる「医療DX」が制度面でも本格的に評価される内容になりました。
過去の処方やアレルギー情報などを医院間で共有できるようになることで、より安全で無駄のない治療につながります。患者様にとっても、転院や引っ越しの際の負担が軽くなるメリットがあります。
これまで自費診療で行われていた一部の技術が、徐々に保険診療でも使えるようになってきています。代表的な例として、粘土のような印象材を使わず光学スキャナーで歯型を取る方法(光学印象)などが挙げられます。
嘔吐反射が出やすい方や、お子様にとっては、従来の型取りよりも快適に治療を受けやすくなる嬉しい変化です。
当院では、今回の改定の方向性を歓迎しつつ、これまで以上に 「予防」と「丁寧な説明」 を大切にした診療を続けてまいります。
具体的には、定期検診・クリーニングを通じた予防歯科のサポート、治療内容や費用についての分かりやすいご説明、噛む・飲み込むといった機能面への配慮、安心して通っていただける衛生管理と診療環境の維持に、引き続き取り組んでまいります。
窓口でのお会計が以前と少し違うと感じる場面もあるかもしれませんが、その背景には今回ご紹介したような制度の変更があります。気になる点はどうぞお気軽にスタッフまでお声がけください。
Q. 4月から治療費はどのくらい変わりますか?
A. 多くの場合、初診時で数十円〜百円程度の変化です。治療内容によって増減はありますが、毎回大きく値上がりするわけではありません。詳しいお会計の内訳が気になる場合は、受付でご説明いたします。
Q. 自分は保険証を持っていますが、何か手続きが必要ですか?
A. 特別な手続きは必要ありません。これまで通り保険証(またはマイナ保険証)をご提示いただければ大丈夫です。マイナ保険証をお持ちの方は、過去の薬の情報などを連携できる場合があり、より安全な診療につながります。
Q. 治療中の人にも改定の影響はありますか?
A. 4月以降の診療分から新しい料金が適用されます。すでに治療途中の方も、4月以降のご来院分について新ルールでのお会計となりますので、ご了承ください。
Q. 定期検診は引き続き保険でできますか?
A. はい、保険適用の定期管理は継続して受けていただけます。むしろ今回の改定では、こうした継続的なお口の管理がより重視される方向になっています。
Q. 改定の内容について、もっと詳しく知るには?
A. 厚生労働省の公式サイトに、改定の全体像や資料がまとめられています。下記の参考リンクからご覧いただけます。

