BOTULINUM
ボツリヌス治療について
(歯ぎしり・嚙み合わせ)
BOTULINUM
ボツリヌス治療について
(歯ぎしり・嚙み合わせ)

咬筋(こうきん)は、咀嚼筋の一つで、エラの部分にある筋肉です。食事の際に強く噛むときに使われる、非常に重要な筋肉でもあります。
この咬筋が必要以上に発達して強くなることを「咬筋肥大」といいます。咬筋が肥大すると、フェイスラインの変化(エラの張り)だけでなく、口腔内のトラブルやその他の症状が現れることがあります。
咬筋肥大とは
咬筋は、食べ物を噛むときに使われる重要な筋肉で、かみしめ癖・食いしばりなどの習慣が原因となり、必要以上に発達して肥大(膨張)した状態を「咬筋肥大」といいます。咬筋が肥大すると、
- 顎の痛み
- 血行不良
- ストレス・頭痛
- 肩こり・首こり
- エラ張り
- むくみ
など、口腔内だけでなく全身にも影響が出る場合があります。また、咬筋の過度な緊張により、
- 歯ぎしり・食いしばりによる歯の欠け
- 歯のすり減り
- マウスピースの破損
などの悪影響が生じることもあります。
咬筋の強さは自覚しにくく、他の人と比較できないため気づきにくいケースが多いですが、歯科医院では口腔内診察により詳しく確認ができます。気になる方はぜひご相談ください。
このようなお悩みがある方はご相談ください

- 頭痛・肩こり・首こりがある
- 顎が痛い・大きく口を開けにくい・顎が鳴る
- 歯ぎしり・食いしばりが気になる
- 歯のすり減り(摩耗)が進んでいる
- 歯やセラミックなどの補綴物の破損が起こる
- マウスピースがすぐ壊れる
- エラ張りやむくみ、梅干し皺が気になる
診療前の簡単10秒咬筋チェック!

- 力を抜いて、エラの部分に手を当てます。
- 奥歯でグッと強く噛みしめます。(2〜3回繰り返してみてください)
- 噛みしめたときに動く筋肉が咬筋です。
- その咬筋が硬い・強いと感じたら要注意。ぜひご相談ください。
上記のチェックに当てはまる場合、咬筋の緊張が原因の症状を改善できる可能性があります。
咬筋ボツリヌス治療とは
ボツリヌストキシンから抽出されたタンパク質を、エラの部分にある咬筋へ注入し、過度な緊張をやわらげる治療です。咬筋が強く働きすぎると、咬筋肥大によるエラ張りをはじめ、食いしばりや歯ぎしり、顎関節症の悪化、頭痛や肩こり、さらに歯の破損や補綴物のトラブルなど、さまざまな不調の原因となります。咬筋ボツリヌス治療により筋肉の緊張が緩むことで、これらの症状の改善が期待できます。
特に、過度な噛む力が原因で歯が破折し、インプラント治療を受けた経験のある方には、再発予防のため本治療を強く推奨しています。
各治療とボツリヌス治療の関係性
ボツリヌス治療は、インプラント・審美歯科・歯周病治療・根管治療の“成功率”と“長期安定”に大きく貢献します。
特に「噛む力が強い患者様」にとっては、歯・補綴物・インプラントを守る予防効果が非常に高い治療です。

インプラント
強い噛みしめ癖は、インプラント体のネジ緩み、上部構造の破損、最悪はインプラント周囲骨のダメージの原因になります。
ボツリヌス治療も同時に行うことで、過度な咬合力を抑え、インプラントの長期安定に効果的に働きます。さらに、上部構造の破損・欠け・スクリュー緩みのリスクも低減されますので、過去に「噛む力で歯が破折した方」には特に有効な治療法と言えます。

審美歯科
食いしばりや歯ぎしりはセラミックの欠け・割れ・脱離の大きな原因となります。
ボツリヌス治療も同時に行うことで、咬筋の力が抑えられ、セラミックが割れにくくなる効果が期待できます。さらに、審美治療後の補綴物を長持ちさせやすいです。ガミースマイル改善や梅干し皺改善など、口元の審美性向上にも直結します。

歯周病
歯ぎしり・食いしばりが強いと歯に過剰な力がかかり、歯周組織(歯ぐきや骨)にストレスがかかるため、歯周病の悪化要因になります。
ボツリヌス治療も同時に行うことで、噛みしめる力が弱まり、歯周組織への負担が軽減される効果が期待できます。また、歯の揺れ・骨吸収の進行防止に寄与するため、歯周病治療で安定した結果を得やすくなります。

根管治療
食いしばりが強いと、治療中・治療後の歯に大きな負担がかかり、根管治療後の痛みや破折リスクが上がります。
ボツリヌス治療も同時に行うことで、噛む力の負担軽減により、治療歯の破折予防に役立つだけでなく、根管治療後の安定化にも繋がります。治療後の痛みや違和感の軽減に効果的です。
ボツリヌストキシン注入とは
.ボツリヌストキシンとは何ですか?
.ボツリヌス菌から抽出されるタンパク質の一種で、緊張している筋肉に注射すると一時的に力を抜く(緊張をほぐす)働きがあります。歯ぎしりや食いしばり、顎関節症の治療に使われているほか、緊張した咬筋(エラ)をゆるめることで肩こりや頭痛の緩和にもつながります。ガミースマイルの改善にも用いられます。
.安全性は大丈夫ですか?
.日本では1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸への治療で厚生労働省の承認を受けている、信頼性の高い治療です。しわ治療や小顔治療として美容領域でも広く使用され、世界では70カ国以上で使用されています。日本の美容領域では2011年から導入されています。
.適用範囲はどこですか?
.咬筋、オトガイ筋(梅干しジワ)、ガミースマイル、口角挙上などに使用されます。
※歯科医院では美容目的の施術は行いません。
.治療時間はどれくらいですか?
.通常15分程度で終了します。表面麻酔を行う場合は約40分ほどかかります。
.ダウンタイムはありますか?
.特にありません。治療直後から日常生活に戻ることができます。
.副作用はありますか?
.治療後、数日は軽い違和感が残る場合がありますが、一般的に大きな問題はありません。
.効果はどれくらい持続しますか?
.3か月〜6か月ほど効果が続きます。持続効果には個人差があります。
.保険は使えますか?
.保険適用外となります。
症例写真

歯ぎしり、食いしばりが強かった為咬筋にボツリヌス注射を注入することで咬筋の緊張が取れ、症状が緩和しました。食いしばりによる肩こり、頭痛などもひどかったですが、こちらも改善しました。
写真を見ただけでも術前と術後8カ月を比較すると、顎下・フェイスラインの脂肪が減って輪郭がシャープになった、ほほ下の膨らみが減って顔の下部が引き締まった、術後8か月で特に顎まわりのラインが明確に整っていることが伺えると思います。施術により、下顔面が全体的にスッキリ引き締まったような印象を与える効果が期待できます。
